前回、解剖学の効率のいい勉強法という記事を書きましたが、今回は基礎医学の中で解剖学に並ぶボリュームを誇る生理学の勉強法について同様に書いていこうと思います。
そもそも生理学とは、人間の体で何が起きているかを知る学問です。ホルモン・細胞・神経の働きなどの「機能」について学びます。
解剖学との違いは、解剖学は人の「構造」についての学問であり、とにかく名前と場所、形を頭に詰め込まなければなりませんでしたが、生理学は一連の流れがあるため、頭の中でつながりを作りやすく覚えやすいと言う人は多いです。
それでは、生理学はどう勉強すればいいのでしょうか。
図で理解する
前回、解剖学は図を書きながら理解すると良いと書きましたが、それは生理学でも同じです。生理学は解剖学よりも文章での説明が多いため、文字だけで覚えようとしがちですが、人の頭は文字よりも図やイラストで視覚的に覚える方がはるかに効率がいいのです。
例えば、ホルモンを覚える時に
「下垂体前葉からは、成長ホルモンとプロラクチンと黄体形成ホルモンと甲状腺刺激ホルモンが出て、それぞれ成長ホルモンは成長を促し、プロラクチンは乳汁分泌に作用して、黄体形成ホルモンは卵巣に作用して排卵を促して…」
と文章でまとめるよりも、下のようイラストと図で覚える法が頭に入りやすいです。
イラストがたくさん載っているおすすめの参考書として、以下の参考書をおすすめします。
価格は一万円程度で少し高いですが、四年生の終わりにあるCBTの時でもとても参考になります。
とにかくイラストが綺麗でただ見ているだけでも楽しいです。覚えにくところはこの参考書のイラストを参考にして、最終的には自分で図を描けるようになれば完璧です。
何故そうなるか考える
生理学はストーリーです。解剖学のようにただ名前を覚えていけばいいわけではありません。
何故そうなるのか、何のためなのか、機序を深堀りして考えていくことが大事です。
例えば、甲状腺機能亢進症で低K血症になる、というのをそっくりそのまま覚えるのではなく、
甲状腺の機能が亢進
↓
代謝亢進
↓
細胞膜に存在するNa-Kポンプがフル回転
↓
K+が細胞内にどんどん送り込まる
↓
低K血症
というように流れで覚えれば、思い出しやすい上に、他の病気を覚える時にも知識を応用することができます。
以上、今回は生理学の勉強法について解説してみました。
解剖学と同様に量が多いですが、解剖学と生理学を乗り越えれば基礎医学の他の山はきっと小さく見えるはずなので、医学生の皆さん頑張って下さい!