医学生の勉強は、暗記、暗記、暗記です。教科書も問題集も何千ページとあって、人間が覚えられる量を超えているような気もします。新しい知識を覚えていると、どんどん古い知識を忘れていくのでいたちごっこです。
忘れることは仕方ないとしても、せめて忘れる速さは緩めたいところ。今回は、あなたの記憶力を向上させる五つの方法をご紹介します。
記憶力を向上させる方法
①記憶の仕組みについて理解する
そもそも、どういう風に記憶が行われいるか理解すれば、意識的に正しい記憶法を実践するようになります。
何かをあなたが経験した時、知覚情報はワーキングメモリによって処理され、短期記憶として一時的に保存されます。この短期記憶は、数日しかもちません。
短期記憶に保存されている間に、何度も思い出す作業を行っていると、情報は長期記憶へと移され、忘れることはなくなります。何度もアクセスする情報は、脳が重要な情報だと判断するためです。
つまり、記憶をいつまでも定着させるためには、一度覚えたことを定期的に何度も思い出す必要があるのです。
おすすめの方法は、その日に勉強したことを日付ごとにノートに書くことです。何日かたったらノートを見直す、ということを繰り返していけばだんだんと記憶を強固なものにしていくことができるのです。
②紙に書き、声に出す
ものを覚える時は、覚えたい言葉を紙に書いて、そして読み上げてください。
脳は単調な刺激ではだんだんと不活化していきます。目で文字を追っているだけだと、だんだんと視覚刺激に慣れてきて、覚えられなくなるどころか睡魔が襲ってきて暗記どころではなくなります。
紙に書けば、触覚や圧覚が刺激され、声に出せば聴覚が刺激されます。
様々な方面から刺激を加えることで、脳が活性化して覚えられる量も増えるのです。
③ストレスを減らす
ストレスは記憶に非常に有害です。
ストレスがあると、脳はストレスを解消しようと働きます。ストレスが多くなるにつれて、脳の使われる領域も多くなり、記憶に使える部分がどんどん減っていきます。
最後にはオーバーヒートして、覚えても覚えても忘れるようになってしまいます。
記憶力をフルで使うには、ストレスを溜めすぎ無いことがポイントです。
ストレスを減らす方法としては、
- よく睡眠をとる
- 音楽を演奏する
- 瞑想する
の三つの方法があります。
まず、1の「よく睡眠をとる」ですが、
脳は寝ている時に記憶を整理します。長く睡眠時間を取らないと、記憶がごちゃごちゃに蓄積され、うまく頭の中から取り出すことができなくなってしまいます。
勉強をしていると夜遅くなってしまうのはわかりますが、6時間以上は睡眠を取ってください。
2の「音楽を演奏する」については、
ストレスを減らすだけでなく、脳の様々な領域を活性化させることができます。ある研究によれば、音楽を演奏する人の脳が、そうでない人の脳より多くの灰白質を持っていることがわかりました。灰白質は記憶の保持と運動能力を司りますが、音楽を演奏すると毎回この灰白質が鍛えられるのです。
3の「瞑想する」については、
瞑想は、最近注目されているストレス解消法で、自分自身の内側に目を向け、過去の出来事や未来の想像を切り捨て、今だけに集中することであらゆるストレスから解放されます。
やり方としては、リラックスできるところにあぐらをかいて座って軽く目を閉じてください。そして、深呼吸をしながら自分の呼吸に意識を集中させます。この際、雑念が湧いてくることがありますが、消そうとしないでただあるがままに受け入れてください。これを10分〜15分やると心が落ち着いてくるはずです。
④運動する
2011年にピッツバーグ大学の研究チームが、有酸素運動を続けた場合、そうでない場合と比べて海馬が約2%大きくなっているという論文を発表しました。
海馬は記憶に関わる脳の機関です。
また、運動することによって血流がよくなるので、脳に栄養が行きやすくなり、記憶のパフォーマンスも上がります。
ゼイゼイいうような激しい運動でなくていいので、毎日20分ほど軽いウォーキングをすると良い効果があります。
⑤ブレインフードを食べる
ブレインフードとは、脳に良い食べ物です。
フラボノイドというポリフェノールを含む野菜や果物は、抗酸化作用で脳の老化を防ぐため、記憶力の減衰を止めることができます。
フラボノイドを含む食材には、トマト、にんじん、ブロッコリー、パセリ、セロリ、大豆、りんご、柑橘類、緑茶などがあります。
以下は、にんじん、りんご、レモンが取れる美味しいジュースで、僕のおすすめです。
砂糖がたくさん入った不健康なジュースを飲むくらいであれば、毎日こういった健康的で美味しいジュースを飲んだほうが、記憶力もよくなり、老化も止まるのでいいと思いませんか?
まとめ
記憶力を向上させる五つの方法、それは、
- 記憶には繰り返しが重要であると理解する
- 覚える時には紙に書き、声に出す
- ストレスを減らす
- 毎日軽いウォーキングをするなど運動を欠かさない
- ブレインフードを食べる
の五つです。