音楽を聞きながら勉強すれば集中できるという人と、音楽を聞くと逆に気が削がれるという人がいます。
実際のところ、音楽を聞きながら勉強することにはどんなメリットとデメリットがあるのでしょうか。最新の研究を参考にしながら探っていきたいと思います。
音楽を聞きながら勉強するメリット
①勉強へのモチベーションが上がる
勉強は頭を使う大変な作業です。やり始める前にはどうしても心理的な壁ができてしまいます。しかし、大好きな音楽を聞きながら勉強できると思うと、心理的ハードルが下がり、勉強を始めやすくなります。
勉強嫌いの人の一番の悩みはなかなか机に向かえないこと。それが、音楽を聞くことで最初の助走をつけやすくなるのです。
②集中できる(場合もある)
音楽を聞きながら勉強すると、無音の状態より集中できる場合があります。人は全く音の無い場所よりもある程度外界からの刺激がある方が集中できるのです。
ただし、どんな音楽でもいいわけではありません。
音楽と集中力の関係についての研究によれば、音楽を聞きながらテストを受けたグループと聞かずに受けたグループでは、後者の方が成績が良かったものの、聞きながらテストを受けた集団は点数のばらつきが多かったとのことです。
つまり、音楽には集中力を上げる場合と下げる場合があるということです。
また、別の研究では、
- 無音の空間
- 特定の一単語だけが繰り返し流れる空間(例えば「3」)
- 複数の単語がランダムに流れる空間(例えば、「1~9」の数字がランダムに流れる)
- 自分の好きな音楽が流れる空間
- 自分の嫌いな音楽が流れる空間
の5つにわかれてテストを行ったところ、1番と2番に属する集団が明らかに成績が良かったという結果が出ています。つまり、音楽が好きか嫌いかで集中力が変わるわけではなく、無音もしくは規則的な音を聞くと集中力が高まるということです。
それでは、どのような音楽が良いのでしょうか。
一般的に言われているのは、クラシックのように脳のα波を促進させる効果のあるものです。α波は、人がリラックスしている時に出る脳波で、集中力や記憶量を高める効果があります。
YouTubeで調べるとα波を誘導する音楽はたくさん出てきます。
音楽を聞きながら勉強することのデメリット
①音楽を聞かないと集中できなくなる
勉強をする時に音楽を聞くことを習慣にしてしまうと、テストの時に音楽を聞けないために集中できなくなってしまいます。
そうならないために、音楽を聞くのは勉強を始めるモチベーションが湧かない時だけにして、勉強のスイッチが入ったら音楽を聞くのはやめるようにしましょう。
②暗記の効率が落ちる
音楽を聞きながらの勉強は、数学や理科など問題を解く作業には向きますが、暗記系の科目には向きません。
なぜなら、暗記系の科目は頭の中や口に出しての復唱が必要ですが、音楽を聞いていると音楽と覚えようとしている言葉が混ざってこんがらがってしまうからです。歌詞がある曲だとなおさらです。
暗記する時は、できるだけ音の無い空間でやりましょう。
まとめ
音楽には集中力を高めるものと妨げるものがあります。オススメはα波を促進するクラシック系の歌詞の無い静かめの曲ですが、勉強する際に毎回聞く習慣をつけるのはやめた方が良いです。